2011年07月03日

君を想って海をゆく

君を想って海をゆく(Welcome;2009フランス)

イギリスへ移住した恋人ミナを想い、祖国イラクから4000kmの道のりを歩いて、フランスの港町カレーに到着した、クルド人のビラル。
イギリスへと密航を試みるも、失敗に終わり、途方に暮れていた彼の目の前に広がる、ドーバー海峡。
その海の、ほんの30km向こうにミナが居る…
…泳いでいったら、ミナのところに行けるんじゃないか?

そう考えたビラルは、カレーの市民プールに出向き、必死で水泳の練習をしていたとき、水泳の元メダリストであるコーチ、シモンと出会う。
なけなしのお金でコーチ料を払い、シモンに水泳の指導を受けるビラル。
一方のシモンは、妻マリオンとの離婚訴訟の真っ最中。イギリスに渡るためにカレーに集うクルド人難民キャンプのボランティアをするマリオンの気持ちをひきとめたい思いで、ドーバー海峡を泳いで渡るなんてばかばかしいと思いながらも、ビラルの手助けをするようになったのだが、恋人に会いたいという一途な思いで必死で水泳を練習するビラルをいつしか、本気で助けたいと思うようになり…

果たしてビラルは、イギリスの恋人のもとにたどり着けるのか?



という、映画。



難民問題はすっごく難しい。

祖国で暮らすのは難しいのはわかる。けど、そんな人たちをすべて受け入れる事はできない。

難民の人たちも、盗みなどの犯罪を犯しがちだったりするし、受け入れたところでその国で仕事を見つけ、周囲の人と仲良くしながら生活できるのかどうか、とか、考えなきゃいけないことは山ほどあるわけで…

でもさ、20歳にもなってない青年がただただ恋人に会いたいというだけの思いで必死になってるとこ見ると、ちょっと渡航させるぐらいいーじゃんとか思ったりもするし、

いや、それこそ、キリがなくなるか…

だからといって、ドーバー海峡を泳いで渡るなんて突拍子もないことを…とも思うんだけど、
それほどまでに、必死だということ、なんだよね。

しかもミナは、父の決めた男と結婚させられそうになってる。

早く行かなきゃ、って、必死になって会いにいく方法を模索するビラルに、
会おうと思えばすぐ会える距離の妻を手放さなければならないシモンの、やきもきとした気持ちがなんとも言えず、せつない。

そしてこの原題「Welcome」が、すっごい皮肉で。

ビラルが、Welcomeしてもらえるのかどうか…実に皮肉な結末を迎えるのです。



ビラルが一途に恋人を思う気持ち、
大勢のクルド人難民たちの必死な思い、
愛しい妻を手放さなければならないシモンと、複雑な思いをかかえる妻マリオン、

人々の抱える重苦しい感情と、カレーのどんよりとした天気、
全体的に暗いトーンと、抑えめの演技、、、
それぞれが相乗効果的に、この映画をつくりあげていたような気がします。

見終わった私もどんより〜。。。

というわけで、「重い」映画でしたが、
いろんなものを訴えかけてくれる映画で、
私自身いろんなことを感じ、考えることができて、見てよかったです。



(2011.7.2)




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posted by りょうこ at 20:52 | 宮城 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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