2010年01月29日

ずっとあなたを愛してる

ずっとあなたを愛してる(IL Y A LONGTEMPS QUE JE T'AIME;2008仏)

15年の刑期を終えて出所したジュリエットは、フランス東部、ロレーヌ地方の中心都市ナンシーに住む妹レアの家に世話になることになった。
15年という長い年月と、ジュリエットの犯した罪は、姉妹の絆だけでなく、ジュリエット自身と一般社会を結ぶ絆すらも引き裂いたまま。
実の妹はもちろん、その夫や娘、友人たちにも心を開けずにいたジュリエットだったが、少しずつ、社会に復帰し、人々との絆を取り戻し、そして、生きる希望を見いだしていく。

ってな映画。



フォーラム仙台さんのご協力により、仙台の愉快なフランス語教室カルティエラタン主催で今日、ロレーヌの名物・キッシュと白ワインのアペリティフ付きで、貸し切り上映会が開かれました映画

100129quiche.jpg
(おいしかったレストラン

というのも、フランス語教室で、一昨年秋〜昨年夏までのあいだ、皆で字幕づくりをしていた映画がまさにこれ、なんです。
翻訳は無事終わったのですが、編集が終わらないままに、日本での公開が始まってしまい(苦笑)

字幕づくりのために、DVD(フランス語版)を何回も見たし、昨夏ヨーロッパからの帰りの飛行機でも見たし(英語字幕版)、けど、何度見ても!!!!!新たな発見があって、じんわりと来る、いい映画です。

ストーリー自体は淡々としているのだけど、細かい演出のすべてに意味があるんですね。

まず、この映画のフランス語タイトル"Il y a longtemps que je t'aime"もそうだし(過去記事参照)

そっから発展して、この映画においては、「水」というものがキーワードになっていたりとか

自身、大学教授であり作家であり、刑務所での教職経験もある、原作者であり監督のフィリップ・クローデルのモデルとしての登場人物(ミシェル)の存在とか

その他、ストーリーにまつわる小ネタも多々。

もう、数え上げればキリがないほどなのです。

見れば見るほど、かめばかむほど、味がでる。

そういう意味で、本当に、よく、計算されて作り込まれた映画だなぁっというかんじです。



ストーリーに関しては、ジュリエットがなぜ15年も刑務所にいたかっていうと、自分の6歳の息子を殺害した罪、なんですが、その理由は、裁判の間も、その後も、誰にも固く口を閉ざしたまま、だったんですね。
けれど、出所して、レアの家に来て、その理由が明かされることとなり、ラスト、その心情を激白するシーンは、胸を打たれます。。。

全体に、暗く、重い雰囲気の映画なのですが、最後、今後の明るい兆しが見えて終わってよかったなーと。



で、字幕編集をしている私としては、どうしても、字幕のほうに目がいってしまい。
英語版もそうだったけど、日本語版も、相当、省略しちゃってるんですよね。
さすがプロ!という翻訳も多々ありつつ、原語(フランス語)ではそんなこと言ってないよ〜!っていう、雰囲気ぶちこわしの翻訳がいくつもあって、、、
私たちが授業で訳したときは、文化的背景も考慮しながら、台詞の「そのまま」を表現する、ということにこだわったので、なおさら、日本公開版の字幕は、なんだかなぁというかんじ。
まぁ、字幕という性質上、短くせざるをえないわけで、しょうがないことなんですが。

やっぱ、映画は、字幕なしで見るのが一番なんだなって、また改めて思いました。。。

そのためにはもっと、フランス語の勉強がんばらなきゃな〜って。



ともあれ

この映画は、全編に渡って、人間が人間たるゆえんというか人間臭さとか、心の闇、そして希望、いろんなものが、淡々と、けれどもしっかりと描かれた良作です。
たくさんの人に、できれば二度三度、見てもらって、じっくりとかみしめてもらいたいなぁっと思います。



<おまけ>昨夏のヨーロッパ放浪中、この映画の舞台になった街・ナンシーに、実際に訪れたときの日記はこちら
25日目ルクセンブルク→ナンシー:アールヌーヴォーの街
26日目ナンシー→チューリヒ:いよいよスイス
映画に出てくる現場の写真も満載です、ぜひご覧ください!!



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posted by りょうこ at 23:59 | 宮城 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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